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最近、自社サイトの表示速度が遅い気がする…。ユーザーからのクレームも増えてきたし、SEOにも影響が出そうで心配だわ。

サイト高速化のためにCDNが良いって聞いたけど、AWSのCloudFrontはどうなんだろう? 設定とか料金とか、初心者でも使いこなせるのかな?
Webサイトやアプリケーションのパフォーマンスは、ユーザー体験やビジネス成果に直結する重要な要素です。表示速度の遅延は、ユーザーの離脱を招き、コンバージョン率の低下やSEO評価の下落にも繋がりかねません。
このような課題を解決する有効な手段の一つが、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の活用です。中でも、AWS CloudFrontは、Amazon Web Services (AWS) が提供する強力なCDNサービスとして、多くの開発者や企業に利用されています。
しかし、「CloudFrontって具体的に何ができるの?」「設定が難しそう…」「料金体系がよくわからない」といった疑問や不安を感じている方も少なくないでしょう。
この記事では、AWS CloudFrontについて、基本的な仕組みからメリット・デメリット、料金体系、そして初心者向けの基本的な設定方法まで、網羅的に解説します。
わかりやすさを重視して丁寧に説明しますので、CloudFront導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
この記事を読むことで、以下のことがわかります。
- AWS CloudFrontの基本的な概念と仕組み
- CloudFrontを導入する具体的なメリットと注意すべきデメリット
- 分かりにくいCloudFrontの料金体系のポイント
- 初心者でもわかるCloudFrontの基本的な設定手順
- CloudFrontの効果的な活用例とベストプラクティス
結論として、AWS CloudFrontは、Webサイトやアプリケーションのパフォーマンス向上、セキュリティ強化、そしてコスト削減に貢献する非常に強力なサービスです。
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AWS CloudFrontとは? 初心者にもわかりやすく解説

まず、AWS CloudFrontがどのようなサービスなのか、基本的な概念と仕組みについて解説します。
CloudFrontの基本的な仕組み(CDNとは何か、エッジロケーション)
AWS CloudFrontは、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)と呼ばれる仕組みを利用したサービスです。CDNを理解することが、CloudFrontを理解する第一歩となります。
CDNとは、Webコンテンツ(HTML、CSS、JavaScript、画像、動画など)を、世界中に分散配置されたサーバー群(キャッシュサーバー)にコピー(キャッシュ)し、ユーザーに最も近いサーバーからコンテンツを配信する仕組みです。
通常、Webサイトにアクセスすると、コンテンツが保存されている元のサーバー(オリジンサーバー)から直接コンテンツが送られてきます。しかし、オリジンサーバーがユーザーから物理的に遠い場所にある場合、データの通信に時間がかかり、表示速度が遅くなってしまいます。
CDNを利用すると、ユーザーは地理的に最も近いキャッシュサーバーにアクセスします。キャッシュサーバーにあらかじめコンテンツのコピーが保存されていれば、オリジンサーバーまでデータを取りに行く必要がなく、ユーザーに近い場所から高速にコンテンツを配信できるのです。
CloudFrontでは、このキャッシュサーバーのことをエッジロケーションと呼びます。AWSは世界中の主要都市に多数のエッジロケーションを設置しており、ユーザーは常に低遅延でコンテンツにアクセスできます。日本国内にも、東京や大阪をはじめ複数のエッジロケーションが存在します。
CloudFront (CDN) は、世界中のエッジロケーションにコンテンツをキャッシュし、ユーザーに最も近い場所から配信することで、Webサイトの表示を高速化する仕組みです。
CloudFrontの主な機能(キャッシュ、セキュリティ、オリジン)
CloudFrontは単なるコンテンツ配信だけでなく、様々な機能を提供しています。
- コンテンツキャッシュ: 画像、CSS、JavaScriptなどの静的ファイルや、動的コンテンツの一部をエッジロケーションにキャッシュし、配信を高速化します。キャッシュの有効期間(TTL: Time To Live)などを細かく制御できます。
- セキュリティ機能: AWS Shield Standardが標準で有効になっており、追加料金なしで一般的なDDoS攻撃(分散型サービス妨害攻撃)から保護されます。さらに、AWS WAF(Web Application Firewall)と連携することで、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などのアプリケーションレイヤーの攻撃からも保護できます。HTTPS通信も標準でサポートし、独自SSL証明書も利用可能です(AWS Certificate Manager (ACM) との連携が容易)。
- オリジンサーバーの柔軟性: コンテンツの元となるオリジンサーバーとして、Amazon S3バケット、EC2インスタンス、Elastic Load Balancing (ELB) ロードバランサー、さらにはAWS以外のカスタムオリジン(オンプレミスサーバーなど)も指定できます。
- 動的コンテンツの高速化: 静的コンテンツだけでなく、動的コンテンツやAPIリクエストの配信も最適化・高速化する機能があります。
- 地域制限(ジオブロッキング): 特定の国からのアクセスを許可または拒否する設定が可能です。
- リアルタイムログとレポート: アクセスログをリアルタイムで収集・分析し、配信状況やパフォーマンスを詳細に把握できます。
これらの機能により、CloudFrontは単なる高速化だけでなく、セキュリティ強化や可用性向上にも貢献します。
AWS CloudFrontを利用するメリット

CloudFrontを導入することで、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。主な利点をまとめました。
- サイト表示速度の向上: 最大のメリットです。ユーザーに最も近いエッジロケーションからコンテンツを配信することで、レイテンシ(通信遅延)を大幅に削減し、Webサイトの読み込み速度を劇的に改善します。これはユーザー体験の向上、離脱率の低下、コンバージョン率の向上に直結します。
- サーバー負荷の軽減: 多くのアクセスがエッジロケーションで処理されるため、オリジンサーバーへのリクエスト数が減少します。これにより、オリジンサーバーの負荷が軽減され、サーバーダウンのリスクを低減できます。特にアクセスが集中するような場合に効果を発揮します。
- セキュリティの強化: 標準で提供されるDDoS緩和機能や、AWS WAFとの連携により、様々なサイバー攻撃からWebサイトやアプリケーションを保護します。HTTPS通信の強制やアクセス制御なども容易に設定でき、セキュリティレベルを向上させます。
- スケーラビリティと可用性の向上: AWSの広大なグローバルインフラストラクチャを活用しているため、突発的なアクセス増や大規模なトラフィックにも自動的に対応可能です。特定のサーバーに障害が発生しても、他のエッジロケーションが処理を引き継ぐため、高い可用性を維持できます。
- 他のAWSサービスとの高い親和性: S3、EC2、ELB、Route 53、WAF、ACMなど、他のAWSサービスとシームレスに連携できます。これにより、AWS上でインフラを構築している場合、非常に効率的にCDNを導入・運用できます。例えば、S3をオリジンに設定すれば、サーバーレスで静的サイトを公開することも容易です。
- コスト削減の可能性: オリジンサーバーからのデータ転送量が削減されるため、特にデータ転送料金が高い場合にコストメリットが期待できます。CloudFrontからインターネットへのデータ転送料金は、EC2などから直接転送するよりも安価に設定されている場合があります。また、サーバー負荷軽減により、オリジンサーバーのスペックを抑えることにも繋がります。
これらのメリットにより、CloudFrontは現代のWebサービスにおいて、パフォーマンス、セキュリティ、信頼性を確保するための重要なコンポーネントとなっています。
AWS CloudFrontを利用するデメリット

多くのメリットがあるCloudFrontですが、導入・運用にあたってはいくつかのデメリットや注意点も存在します。
- 設定の複雑さ: 高機能である反面、設定項目が多く、特に初心者にとっては難しく感じられることがあります。ディストリビューション、オリジン、キャッシュビヘイビア、SSL証明書など、理解すべき概念や設定箇所が多岐にわたります。適切な設定を行わないと、期待した効果が得られない、あるいは意図しない動作を引き起こす可能性もあります。
- キャッシュの管理: キャッシュは高速化の鍵ですが、管理を誤ると問題が発生します。例えば、オリジンサーバーのコンテンツを更新しても、キャッシュの有効期限が切れるまで古いコンテンツが表示され続けることがあります。意図的にキャッシュを削除(Invalidation)する機能もありますが、頻繁に行うとコストが発生したり、オリジンへの負荷が増加したりする可能性があります。キャッシュ戦略(何を、どのくらいの期間キャッシュするか)を慎重に設計する必要があります。
- 料金体系の理解: CloudFrontの料金は主にデータ転送量とリクエスト数に基づいていますが、地域によって単価が異なったり、HTTPSリクエストに追加料金がかかったりするなど、やや複雑です。Invalidationにも別途料金がかかります。利用状況によっては想定以上のコストが発生する可能性もあるため、事前に料金体系をよく理解し、試算しておくことが重要です。
- トラブルシューティングの難易度: 問題が発生した場合、原因がオリジンサーバーにあるのか、CloudFrontの設定にあるのか、あるいはDNS設定にあるのかなど、切り分けが難しい場合があります。CloudFrontのログやメトリクスを確認し、原因を特定するための知識や経験が必要になることがあります。
特にキャッシュの管理は重要です。Webサイト更新後に変更が反映されない場合は、CloudFrontのキャッシュが原因であることが多いです。Invalidation(キャッシュクリア)の方法を事前に確認しておきましょう。
これらのデメリットや注意点を理解した上で、計画的に導入・運用することが成功の鍵となります。
AWS CloudFrontの料金体系を徹底解説

CloudFrontの利用料金は、いくつかの要素によって決まります。複雑に感じるかもしれませんが、主要なポイントを押さえれば理解しやすくなります。
料金が発生する主な要素
CloudFrontの料金は、主に以下の要素で構成されます。
- データ転送量 (アウト): CloudFrontのエッジロケーションからインターネット(ユーザー)へ転送されたデータ量に応じて課金されます。料金単価は、配信先の地域(日本、米国、ヨーロッパなど)によって異なります。一般的に、データ転送量が最も大きなコスト要因となります。
- リクエスト数: ユーザーからCloudFrontのエッジロケーションへのHTTPおよびHTTPSリクエストの数に応じて課金されます。HTTPSリクエストはHTTPリクエストよりも単価が高く設定されています。
- データ転送量 (オリジンフェッチ): エッジロケーションにキャッシュがない場合に、オリジンサーバーからデータを取得(フェッチ)する際のデータ転送量です。ただし、オリジンがAWS内(S3、EC2など同じリージョン)にある場合、この転送料金は無料になることが多いです。
- Invalidationリクエスト: キャッシュを強制的にクリア(Invalidation)するリクエスト数に応じて課金されます。月に1,000パスまでは無料枠がありますが、それを超えると有料になります。
- その他の機能利用料:
- 専用IPカスタムSSL: 独自ドメインでHTTPSを利用する際に、専用IPアドレスを使用する場合に追加料金が発生します(通常はSNIカスタムSSLを利用し、これは追加料金なし)。
- リアルタイムログ: リアルタイムログ機能を利用する場合、ログレコード数に応じて課金されます。
- CloudFront Functions / Lambda@Edge: エッジでコードを実行する機能を利用する場合、実行回数や実行時間に応じて課金されます。
CloudFrontの主な課金要素は「データ転送量(アウト)」と「リクエスト数」です。特にデータ転送量がコストの大部分を占める傾向があります。
無料利用枠について
AWSには無料利用枠があり、CloudFrontもその対象となっています。新規AWSアカウント開設から12ヶ月間、以下の範囲でCloudFrontを無料で利用できます(2025年4月時点の情報)。
- データ転送量(アウト): 1TB / 月
- HTTP/HTTPSリクエスト数: 10,000,000件 / 月
- Invalidationリクエスト数: 1,000パス / 月
- CloudFront Functionsリクエスト数: 2,000,000件 / 月
この無料枠は、小規模なサイトやテスト用途であれば十分な容量です。まずは無料枠で試してみて、利用状況に応じて有料プランへの移行を検討するのが良いでしょう。
無料利用枠はアカウント作成から12ヶ月間限定です。また、無料枠を超過した分については通常料金が発生しますので注意が必要です。
料金の具体例・試算方法
料金を具体的にイメージするために、簡単な試算例を見てみましょう。
【試算条件】
- 配信地域: 日本
- 月間データ転送量(アウト): 500GB
- 月間HTTPSリクエスト数: 5,000,000件
- オリジン: 同一リージョンのS3(オリジンフェッチ無料)
- Invalidation: 100パス(無料枠内)
【料金計算(概算)】 ※料金単価は変動する可能性があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
- データ転送量(アウト)料金:
- 日本のデータ転送単価(最初の10TB/月まで): 約$0.114/GB と仮定
- 料金: 500GB * $0.114/GB = $57.00
- HTTPSリクエスト料金:
- 日本のHTTPSリクエスト単価: 約$0.0120/10,000リクエスト と仮定
- 料金: (5,000,000リクエスト / 10,000) * $0.0120 = $6.00
- 合計(月額): $57.00 + $6.00 = $63.00
この例では、月額約$63となります。実際の料金は、アクセス元の地域、HTTP/HTTPSの比率、キャッシュヒット率、その他の機能利用状況によって変動します。
正確な料金を知りたい場合は、AWS Pricing Calculator を利用して試算することをおすすめします。
コスト削減のポイント

CloudFrontのコストを抑えるためには、以下の点を意識すると良いでしょう。
- キャッシュヒット率を高める: エッジロケーションでキャッシュが利用される割合(キャッシュヒット率)を高めることが重要です。適切なキャッシュTTLを設定し、キャッシュ可能なコンテンツを増やすことで、オリジンへのアクセスとデータ転送量(アウト)の両方を削減できます。
- 不要なInvalidationを避ける: Invalidationは便利な機能ですが、有料であり、多用するとコストがかさみます。可能な限りTTLでキャッシュを制御し、Invalidationの使用は最小限に留めましょう。
- Price Classの選択: CloudFrontでは、コンテンツを配信するエッジロケーションの範囲(Price Class)を選択できます。「すべてのエッジロケーションを使用」「米国、カナダ、ヨーロッパのみ」「米国、カナダ、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカのみ」などがあり、範囲を限定することでデータ転送単価を抑えられます。ターゲットユーザーの地域に合わせて適切なPrice Classを選びましょう。
- データ圧縮の活用: CloudFrontの設定で、コンテンツをgzipなどで圧縮して配信するように設定できます。これによりデータ転送量を削減できます。
- Savings Plansの利用: 一定期間(1年または3年)の利用をコミットすることで、CloudFrontの利用料金の割引を受けられるSavings Plansもあります。利用量が安定している場合は検討の価値があります。
これらのポイントを考慮し、利用状況に合わせて設定を最適化することがコスト管理に繋がります。
AWS CloudFrontの基本的な設定方法

ここでは、AWSマネジメントコンソールを使ってCloudFrontの基本的な設定を行う手順を解説します。今回は、例としてS3バケットに置いた静的WebサイトをCloudFront経由で配信する設定を行います。
前提条件
- AWSアカウント: 有効なAWSアカウントが必要です。
- オリジンサーバーの準備: 今回はS3を使用します。事前にS3バケットを作成し、配信したいWebサイトのファイル(index.htmlなど)をアップロードしておきます。
- 注意点: S3バケットの静的ウェブサイトホスティングは有効にせず、パブリックアクセスもブロックした状態(非公開)で構いません。CloudFrontからのみアクセス許可を設定します。
- (オプション) 独自ドメインとSSL証明書: 独自ドメイン (`www.example.com` など) でアクセスしたい場合やHTTPS化したい場合は、事前にドメインを取得し、AWS Certificate Manager (ACM) でSSL/TLS証明書を発行しておく必要があります(バージニア北部リージョン `us-east-1` で発行)。
ディストリビューション作成のステップ
CloudFrontの設定の中心となるのが「ディストリビューション」の作成です。以下の手順で進めます。
- AWSマネジメントコンソールにログインし、CloudFrontのサービスページを開きます。
- 「ディストリビューションを作成」ボタンをクリックします。
- オリジン設定:
- オリジンドメイン: プルダウンメニューから、事前に作成したS3バケットを選択します。
- S3バケットアクセス: 「はい、OAI (Origin Access Identity) を使用します」を選択し、「新しいOAIを作成」をクリックします。名前を入力して作成します。(OAIはCloudFrontからS3バケットへのアクセスを許可するための特別なIDです)。
- バケットポリシー: 「はい、バケットポリシーを更新します」を選択します。これにより、作成したOAIからのアクセスのみを許可するバケットポリシーが自動で設定されます。
- デフォルトのキャッシュビヘイビア設定:
- ビューワープロトコルポリシー: 通常は「Redirect HTTP to HTTPS」を選択し、HTTPS接続を強制します。
- 許可されたHTTPメソッド: 静的サイトであれば「GET, HEAD」で十分です。
- キャッシュキーとオリジンリクエスト: 「Cache policy and origin request policy (recommended)」を選択し、キャッシュポリシーは「CachingOptimized」、オリジンリクエストポリシーは「CORS-S3Origin」などを目的に応じて選択します(最初はデフォルトの「CachingOptimized」でも可)。
- 設定 (Settings):
- Price Class: ターゲットユーザーの地域に合わせて選択します(例: アジアのユーザーが主なら「Use only North America, Europe, Asia, Middle East, and Africa」または「Use all edge locations (best performance)」)。
- 代替ドメイン名 (CNAME) (オプション): 独自ドメインを使用する場合は、ここに入力します (例: `www.example.com`)。
- カスタムSSL証明書 (オプション): 独自ドメインを使用しHTTPS化する場合、事前にACMで発行した証明書を選択します。
- デフォルトルートオブジェクト (オプション): ルートディレクトリ(例: `http://xxxx.cloudfront.net/`)にアクセスした際に表示するファイル名を入力します (例: `index.html`)。
- ログ記録: 必要に応じて、標準ログやリアルタイムログの設定を有効にします。
- その他の設定を確認し、「ディストリビューションを作成」をクリックします。
ディストリビューションの作成には数分~数十分かかることがあります。ステータスが「デプロイ中」から「有効」(Enabled)に変われば完了です。
上記は基本的な設定例です。実際の要件に応じて、キャッシュポリシー、オリジンリクエストポリシー、WAF連携、地域制限などの詳細設定をカスタマイズしてください。
設定後の確認方法
ディストリビューションが有効になったら、以下の方法で動作を確認します。
- CloudFrontドメイン名でアクセス: CloudFrontの管理画面で確認できる「ディストリビューションドメイン名」(例: `d12345abcdef.cloudfront.net`)にWebブラウザでアクセスし、S3にアップロードしたコンテンツ(index.htmlなど)が表示されることを確認します。
- (独自ドメインの場合) DNS設定の変更: 独自ドメインを使用する場合は、DNSサービス(Route 53など)で、CNAMEレコードを作成し、設定した代替ドメイン名(例: `www.example.com`)がCloudFrontのディストリビューションドメイン名を指すように設定します。DNS設定が反映された後、独自ドメインでアクセスして表示を確認します。
- キャッシュの確認: ブラウザの開発者ツールなどで、レスポンスヘッダーを確認します。`X-Cache` ヘッダーが `Hit from cloudfront` となっていれば、エッジロケーションのキャッシュから応答されていることがわかります(初回アクセスなどは `Miss from cloudfront` となり、オリジンから取得されます)。
設定がうまくいかない場合は、オリジン設定(OAI、バケットポリシー)、キャッシュビヘイビア設定、SSL証明書の設定、DNS設定などを再度確認してください。特にS3バケットポリシーが正しく設定されているか(OAIからのGet Objectが許可されているか)は重要なチェックポイントです。
AWS CloudFrontの活用例とベストプラクティス

CloudFrontは様々なシーンで活用できます。ここでは代表的な活用例と、効果的に運用するためのベストプラクティスを紹介します。
活用例
- 静的コンテンツ配信: WebサイトのHTML、CSS、JavaScript、画像、フォントファイルなどをS3に置き、CloudFront経由で配信する最も一般的な使い方です。サーバーレスで高速かつスケーラブルなWebサイトを構築できます。
- 動画・大容量ファイルの配信: 動画ファイルやソフトウェア配布など、大容量ファイルの配信にも適しています。ユーザーに近いエッジから配信することで、ダウンロード時間を短縮し、オリジンサーバーの負荷を軽減します。
- 動的コンテンツ配信の高速化: EC2やELB、API Gatewayなどをオリジンとして設定し、動的なWebページやAPIレスポンスの配信を高速化します。適切なキャッシュ設定(クエリ文字列やヘッダーに基づくキャッシュキー設定など)により、動的コンテンツの一部もキャッシュできます。
- API Gatewayとの連携: API Gatewayのエンドポイントをオリジンに設定し、APIのレスポンスをキャッシュしたり、DDoS保護やWAFによるセキュリティ機能を追加したりできます。
- セキュリティ対策としての利用: オリジンサーバーを直接インターネットに公開せず、CloudFront経由でのみアクセスを許可するように構成します。これにより、CloudFrontのDDoS保護やWAF連携機能を利用して、オリジンサーバーを保護できます。
- ライブストリーミング配信: AWS Elemental MediaStoreなどのライブストリーミング用オリジンと連携し、低遅延でスケーラブルなライブ動画配信を実現します。
ベストプラクティス
- 適切なキャッシュ戦略の設計: コンテンツの種類に応じて、適切なキャッシュTTLを設定します。頻繁に更新されるコンテンツはTTLを短く、あまり変更されない静的ファイルはTTLを長く設定します。キャッシュキー設定(どの要素に基づいてキャッシュを区別するか)も重要です。
- オリジンへの直接アクセスを制限: S3をオリジンにする場合はOAIを使用し、EC2やELBをオリジンにする場合はセキュリティグループやカスタムヘッダーなどでCloudFrontからのアクセスのみを許可するように設定し、オリジンサーバーを保護します。
- HTTPSの強制: ビューワープロトコルポリシーで「Redirect HTTP to HTTPS」を設定し、常に安全な接続を確保します。
- AWS WAFの活用: Webアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃(SQLインジェクション、XSSなど)から保護するために、AWS WAFを有効にすることを強く推奨します。マネージドルールを利用すれば、一般的な脅威に容易に対応できます。
- モニタリングとログ分析: CloudFrontのメトリクス(リクエスト数、エラー率、キャッシュヒット率など)をCloudWatchで定期的に監視し、パフォーマンスやエラー状況を把握します。アクセスログを分析し、利用状況や潜在的な問題を特定します。
- コストの最適化: キャッシュヒット率の向上、適切なPrice Classの選択、Savings Plansの検討など、継続的にコスト効率を見直します。
- Invalidationは慎重に: キャッシュクリアが必要な場合もありますが、コストとオリジン負荷を考慮し、計画的に実行します。バージョニングされたファイル名を使用するなど、Invalidationを不要にする工夫も有効です。
CloudFrontを効果的に活用するには、キャッシュ戦略、セキュリティ設定(特にWAF)、そして継続的なモニタリングが重要です。
まとめ

この記事では、AWS CloudFrontについて、その基本的な仕組みからメリット・デメリット、料金体系、基本的な設定方法、そして活用例までを網羅的に解説しました。
AWS CloudFrontは、世界中に分散されたエッジロケーションを利用してコンテンツを高速配信するCDNサービスです。導入することで、以下の大きなメリットが期待できます。
- Webサイト/アプリケーションの表示高速化
- オリジンサーバーの負荷軽減
- セキュリティの強化 (DDoS対策、WAF連携)
- スケーラビリティと可用性の向上
- 他のAWSサービスとの連携による効率化
- コスト削減の可能性
一方で、設定の複雑さ、キャッシュ管理の必要性、料金体系の理解といった注意点もあります。特にキャッシュ戦略とセキュリティ設定は、CloudFrontを効果的かつ安全に利用するための重要なポイントです。
料金については、データ転送量(アウト)とリクエスト数が主な課金要素となります。無料利用枠も用意されているため、まずは小規模に試してみるのが良いでしょう。コストを最適化するためには、キャッシュヒット率の向上や適切なPrice Classの選択が鍵となります。
基本的な設定は、AWSマネジメントコンソールから比較的容易に行えますが、より高度な設定やトラブルシューティングには専門知識が必要になる場合もあります。
もし、CloudFrontの導入や設定、運用に不安がある、あるいはより高度な活用を目指したい場合は、AWSの専門家やパートナー企業のサポートを検討するのも有効な手段です。
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割引コードの入力ができるので、当サイトのクーポンコードを入力後に適用を選びます。
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「割引コードが適用されました。」とメッセージが表示されれば割引価格で購入可能です。
アカウント情報を入力して、決済方法を選びます。
- ユーザー名
- パスワード
- メールアドレス
- クレジットカード
- PayPal
クーポン価格が適用されていることを再確認したら、利用規約に同意して「送信して購入手続きへ」を押します。
お支払いが終わると、決済完了のメールが届きます。

メールに記載されているURLから学習を開始しましょう。

今なら限定クーポンあり
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